ベートーヴェンの真実

Portrait by Joseph Karl Stieler, 1820
Portrait by Joseph Karl Stieler, 1820

皆さんは究極に忙しい時、どんな時間を削りますか?

我が家ではテレビをほとんど見ないため、私は読書の時間を削ります。

 

先日、図書館に久しぶりに行き、何の気なしに手にしたのが「ベートーヴェンの真実 The Mysteries of Beethoven's Hair」。

こちらは2000年にアメリカでベストセラーとなったRussell Martin著の「ベートーヴェンの遺髪 Beethoven's Hair」を若い世代向けに書かれたもので、挿絵も多く、あっという間に読み終えてしまいました。

 

あの偉大なる作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンに関するノンフィクション。

ルートヴィヒの死後、約170年を経て、彼の愛好家であるアメリカ人に渡った遺髪

現代科学によって、彼が重度の鉛中毒であったことが判明。

それにより難聴になったのではないかとも指摘されていました。

当時は鉛は有毒と認識されておらず、普段使用する食器であったり、ワインであったり、薬にでさえ含まれていたようです。怖い。

 

物語はルートヴィヒの遺髪の旅も追っています。

遺髪の房を切り取ったのはフェルディナント・ヒラー少年。

彼はルートヴィヒに人生を芸術に捧げ尽すように励まされ、作曲家となり、音楽となりました。

同じ時代を生きた友であるロベルト・シューマン

『われわれがどうしても抗えないような、圧倒的な力に欠けている(「ベートヴェンの真実より抜粋)』

と言われています。

本人も根本的に何かが欠けていることには気づいていたようですが、あまりにも素晴らしすぎる作曲家ルートヴィヒに出会ってしまったがゆえに、苦労されたのかもしれませんね。

 

その後、遺髪はフェルディナントの息子に譲られます。

そして、最終的に見つかった場所は、なんとデンマーク

これは是非とも本を読んで謎を確かめていただきたい(笑)

ルートヴィヒのサイン
ルートヴィヒのサイン

 

最後にルートヴィヒのお言葉。

Music is a higher revelation than all wisdom and philosophy.

 音楽とはあらゆる智恵や哲学よりも高度な啓示である

             ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン』

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